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今こそ「共助」が大事!TAKEOUTプロジェクトのまとめ

第2回さのまちゼミ実行委員会

震災の時もそうでしたが、災害などで地域や国全体が大きな被害を受ける際には必ず「公助」の話が出てきます。

今も国や自治体からの補助、給付、融資制度等さまざまな公共によるセーフティネットが打ち出されています。しかし、連日報道される通りそこには内容の良しあし、そして何よりスピードの早い遅いの問題がつきものです。

そこで今回改めて気づかされたのが「共助」の存在です。読んで字のごとく共に助ける、地域単位での助け合いのことを言います。

僕は現在のコロナ禍で3年前に発起人として立ち上げた「得する街のゼミナール・さのまちゼミ」のネットワークを活用しテイクアウトのポータルサイト「TAKE OUT いずみさの」をオープンしましたが、このプロジェクトで自分が感じた共助の”ええところ”が3つあります。

①地域のニーズを正しく汲み取れる

公助は性質的にどうしても全国、都道府県単位で画一的にならざるを得ないですが、地域単位で行われる共助は地元の組織、企業、個人ネットワークを基盤として、自分たちのまちで起きている問題、そしてやるべき課題を的確に把握して実施することが可能です。

泉佐野市も同じ大阪といえど大阪市のような大都市とは大きく状況が異なります。大阪市内ではUber Eatsなどのデリバリーサービスが充実しつつありますが、泉佐野ではその分野が非常に弱い現状が今回わかりました。

ワンオーナーで営業しているお店も多く、自店だけでは宅配サービスを提供しにくいというのも課題です。そうした地域性を踏まえたニーズを拾い出して、例えば地元団体や業種組合がデリバリーサービスを始めたり、といったことができるわけです。

②民間で進められるスピード感

民間がベースになって行われる共助では、意思決定が迅速です。いちいち面倒な決済フローや会議を通さずとも、例えば日ごろの付き合いのある社長さん同士が集まって「何かやろう!」と決断すれば数人単位での合意形成で物事が進むので至ってスムースです。

TAKEOUTいずみさのでは、7名から成る実行委員会組織をベースに、僕を含めた3名がコアな意思決定機関として日頃からSNSでコミュニケーションをとりつつ、都度その場で意思決定を行います。全体のコンセンサスが必要な場合は実行委員会のグループに投げかけますが、活動趣旨や目的さえ明確にしておけば、各々の判断基準も統一され、やはりスムースに進みます。

4/14に始まったテイクアウトプロジェクトは5/16時点で70店舗の参加があり、市のバックアップ、チラシ制作や地元メディア(ラジオ、ケーブルTV)による放映などさまざまな企画、取り組みが行われています。

③顔の見える関係性から成る”巻き込み力”

国や自治体単位で打ち出させる施策は我々の目線ではどうしても一方的かつ受け身になりがちですが、地域の中で「誰か」が始める取り組みは、必ず違う「誰か」とつながっています。

よくわからない国の偉い人が打ち出すものには内容如何にかかわらず、どこか共感しずらいものがありますが、顔見知りや友達の「あの人」がやることなら応援したくなりますよね。

TAKEOUTのプロジェクトの参加店舗を僕のFBで最初に募った際、90件もシェアいただき驚きました。今までつながってきた地域の方々に応援いただいたことで、今回ほとんどリアルでの実働なしで進めることができ、70店舗を巻き込み、さらに市長や僕の上司のご尽力により行政からの多大なバックアップを受け、お店や利用者の方々からたくさんの反響を頂戴しました。やはり、常日頃からの有機的なつながりが大いに生かされた結果と思います。

まとめ

以上、長々と書き連ねましたが、結論として共助の役割が今大きくなり、まちの事業者さん、市民の方々はどんどんそうしたネットワークに参画していくことが大事ではないかというのがまとめです。

コロナ禍においても、やはり既存のネットワークがある地域はいろいろ新しい取り組み、チャレンジが生まれています。逆にそれがない地域は今後さらにしんどいんじゃないでしょうか。

僕が商工会議所の経営指導員だったころ、創業支援にも関わりましたが、つぶれてしまうお店の共通点はいずれも地域とのつながりが薄く、コミュニティやネットワークに属していないことでした。

自社の全責任を一手に負う経営者は本質的に孤独ですが、そうした中で相談出来たり助け合える仲間やネットワークの存在は大きいと思います。

しかし、「共助は一日にしてならず」で地域のネットワークは苦しい時にいきなり生み出されるものではないので、常日頃からそうしたつながりと、何かに取り組む地盤を作っておくことが大事です。

地域の中でのネットワーク、コミュニティはいろいろあると思います。事業者であれば商工会議所、青年会議所、業種組合、そしてまちゼミも(コマーシャル的に)!お店のことがあるからなかなか…という方こそ、 転ばぬ先の杖でこうしたつながりを持っておくと困ったときに役立つと思いますよ!